疲れをとるクラシック音楽

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現代日本人のケチくさいルサンチマンから距離を置け――マーラー「交響曲第5番」

疲れを取る音楽には、いくつかの種類がありそうだ。ゆったりしたテンポのもの、激しいテンポのもの、音の小さいもの、大きいもの、和声が複雑なもの、単純なもの。いずれも癒しの音楽となる可能性がある。優しい音楽に慰撫されることもあるだろうし、勇ましい音楽に鼓舞されることもある。

典型的な癒し音楽といえば、いわゆる「アダージェット」系のクラシック音楽だ。テンポが遅く、小さな音から始まってクライマックスを経て、小さな音に戻る場合が多い。まるで波が寄せては来るように。

アダージェットといえば、マーラーの交響曲第5番第4楽章の「アダージェット」だ。ヴィスコンティの「ローマに死す」という映画で使われていたことを知る人も少なくなったかもしれない。

ヴィスコンティって知ってる? イタリアの貴族の家系に生まれ裕福な環境に育った映画監督ですよ。いまはさ、二言目には「藝術だからって許されると思ってたら大間違いだぞ」とかいう貧乏人のヒガミが著しいけど、そういうケチくさいルサンチマンから距離を置くには、こういう豪奢な音楽を聞いた方がいい。

とにかくケチくさいんだよ、いまの日本人は。そして、そのケチくささを否定する糸口を見いだせずに追い詰められている人たちが多い。もうやめようじゃないか、そういう奴らに作り笑いで同調するのは。


Mahler inspired scene - Death In Venice / Mort à Venise/ Tod in Venedig / Morte a Venezia