疲れをとるクラシック音楽

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世の中が混乱しても音楽の中の秩序は変わらない――J.S.バッハ「平均律クラヴィーア曲集」

前回まではブログ開設から勢いに任せて一気に5本書いたが、今後は週に1本書けばいい方になると思う。そういうペースで20週書き続けることの方が、1日20本書くことよりも難しい。そもそも何について書くべきなのか。

毎日の疲れを決まった1曲で癒すとしたら、バッハがいいかもしれない。特にピアノによる演奏だ。それもグールドの弾いたものがいい。ゴルトベルク変奏曲もいいし、イタリア協奏曲みないなものもいいが、ここは「平均律クラヴィーア」と呼ばれる長い組曲を勧めたい。

元々、練習用と娯楽用を兼ねて作られたらしい。無機質なようで有機的、有機的なようで無機的、親しみやすいが変にべたついた感じもなく、カッチリした構成とも自由な形式ともいえるという、融通無碍な音楽だ。

こういう音楽漬けになるメリットは、まずは自分の中に「構成感覚」が身につくということが一番だと思うが、それを含めて、そういう人間に近づけるということである。カッチリしているようで自由とか。

これこそが、音楽が人間にもたらす非常に大きな効能といえるだろう。こういう音楽のようにバランスのよい人間になれたら、疲れにくくもなりそうだ。猫背の姿勢は短期的にはラクかもしれないが、長期では正しい姿勢が一番疲れない。

なお、原題は「The Well-Tempered Clavier」であり、単に「よく調律した鍵盤(で弾く音楽)」という意味しかない。なぜ平均律とつけたのか訝しく思うが、「よく調律された」という曲名では威厳がなかったかもしれない。


The Well-Tempered Clavier Complete by Glenn Gould 1/13