疲れをとるクラシック音楽

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ブラームスの交響曲第1番は、第2楽章から聞くに限る。なんなら、それで終わりでもいい

仕事を終えて疲れ果て、飯も食い終わったので一刻も早く風呂に入って寝たいのだが、こういうときこそ「疲れをとる」という本ブログのテーマの真価が問われる。さて、いま何が聞きたいのだ私は…。

そうだ、こういうときこそ浮世離れしたコテコテのクラシック音楽はどうだろう。ブラームスの交響曲、それも一番有名な1番なんかいいじゃないか。自ら「ベートーベンの交響曲第10番」たらんとし、着想から完成まで21年もかかったという、あまりにも擬古典的な変態曲を聞こう。

とはいえ、必ずしも重苦しい1楽章から聞く必要なんてない。聞きやすい2楽章からでもいいし、なんだったらそれだけだっていい。交響曲という重厚な音楽を、最初から最後まで順番に聞かなきゃならないなんて、疲れの多い現代人には過重な要求である。自殺行為。幸いテクノロジー的にも、どこから聞いてどこでやめてもいいようになっている。

で、この2楽章の甘さが、実にいい癒しの音楽なのである。ヴァイオリンのゆったりとしたメロディーが、30秒あたりで現れるコントラバスやチェロの動きが止まるのと同時に、一瞬行き場を失って宙に浮く。動き出して、また止まる。この浮遊感がいい。これぞブラームスの童貞力の凄さ。

2楽章がよほど気に入れば、それから他の楽章を聞いたっていい。しかし、やっぱり重苦しい1楽章から甘い2楽章を経て、堂々たるフォナーレに行く流れは、交響曲を通しで聞く醍醐味だ。だが今日は2楽章だけ聞き終わったら、もう風呂に入ることにする…。


Brahms Symphony No.1 mvt. II