疲れをとるクラシック音楽

すべてのエントリーは書きかけ/はてなブログは使いやすいね

宇宙空間のような音楽をシンセで演奏した偉業――ドビュッシー「月の光」

前回、疲れというものが神経ではないかと書いたが、そんなことはどうでもよくて、疲れをとるには寝るに限るのである。ブログを書くために音楽を探しながら、これは疲れをとるのか?とらぬのか?と自問している暇があったら、さっさと寝たほうがいい。

で、穏やかに眠りにつける音楽は何かということだ。この場合の音楽は、ゆったりしたテンポの静かな音楽がいいだろう。苦味より甘さがあったほうがいい。…と、ここまで書きながら、どんな曲がいいのか、まだ思いつかない。うーん、どうしようか、もう眠くなってきた。

こうなったら、ドビュッシーなんかどうだろうか。「牧神の午後への前奏曲」あたりがいいと思いつつ、ここはベタに「月の光」で行こう。曲の長さは長すぎず、ホドホドの方がいいのだ。

この曲の浮遊感を出すために、ドビュッシーはさまざまな音楽上の工夫をこらしている。小節線をまたぐスラーやタイの多用、黒鍵を使った微妙なハーモニーなど。

とはいえ、技巧としてそういうことをしたのではなく、ドビュッシーの頭の中の響きを楽譜に定着しようと思ったら、いろいろはみ出してしまったというのが実情だろう。もう3拍子だの4拍子だのという世界を超えてしまっている。

まるで宇宙空間のような音楽。この曲をシンセサイザーで演奏した冨田勲は、本当に先見性があると思う。ドビュッシーが生きていれば、たぶんシンセを使っていたとおもわれるからだ。


Debussy / Clair de lune by Tomita Isao 月の光 / ドビュッシー 富田勲